水やり
こんにちは、銀龍侍合同会社齋藤です。今回で第3回目のコラムになります。
動画配信では銀龍侍齋藤流で様々な農業技術を配信していますが銀龍侍HPのコラムでは
動画では配信しないもう少し踏み込んだ内容や現場で駆使する実践技術の裏舞台にも多少触れていきますのでお付き合いください。
水やり
植物栽培において見落とすことのできない大変重要な基本中の基本です。露路でさえスプリンクラーが有れば収穫量がかなり変わります。
今回は大きなテーマ『水やり』の中でも施設栽培(ハウス栽培)の当てはまる内容ですので参考にしてください。
光合成は水+光+2酸化炭素ですので光は良く分かる、2酸化炭素は換気環境と2酸化炭素発生機器が有れば可能です。
ところがこと水やりに関してだけは光=照度、2酸化炭素濃度=㏙。のように水=㏄とは一概には言えないと銀龍侍齋藤流では捉えています。
その理由としては
⓵生産者の管理能力差で土中の根量の個体差が大きく差が出る
②農薬の使用量や農薬散布頻度によって農薬が掛かった植物は気孔を閉じる時間が一定数長くなるので蒸散率が下がる→潅水量が少なくて良い
③、②に対してアミノ酸や有機酸カルシュム等を普段からしっかりと葉面散布していると
この場合は土中の根量は多くなり、気孔は良く開いている状態なので蒸散率は高くなる
→潅水量が多くなる
④栽培現場においてハウスの軒高や建築物の方向が東西、なのか南北なのかでも変わる
⑤換気時間をどの程度取れるか、日の長さでも常に変わる
等の理由が挙げられます。
現地指導の水やりは
良くあるのは排水量をパーセンテージで決めています、先に記述した⓵~⑤の理由から同じ潅水量が毎日どこでも適正かというと根拠がどこに有るかです。
知っている例ではここでは数字は避けますが数十パーセント廃液量が出るまでとにかく潅注をするように指導されています。
また、株当たり何㏄も同じではないかと思います。何故日に株当たり何㏄であるのかの根拠がどうなっているかです。
中には雨天、曇天、晴天関係なく毎日、毎回決まった潅注量の方もいますがこの場合は灰色カビの多発、実の軟化、過水による根の酸欠が予想されます。
実際の潅注量について(水やり)
このよう水やり(潅注量)は様々な要因が存在します、植物の生育段階でも気孔数と根量も違えば実に含水されて消費される水分量も様々です。
溢液、湿度、飽差
この3つですらただの目安ですから総合的に特にベンチ栽培では排水量の多い少いを毎回毎時目視する、早朝の溢液の出方やその大きさを見る、飽差も参考にはするが過信はしない。
よく潅水量を何㏄、何リットルを決めて欲しいとリクエストされますがそれでは人間の都合ですからやはりそこは植物毎回毎時向き合ってベストの水やりを現場では心掛けていくしかないと思います。